2023年のBTC相場は、年初から12月5日まで約3倍に上昇しましたが、年末にかけては利食い売りが優勢となり、その後は上に行って来いの展開となりました。

この荒っぽい値動きの要因は、ETF承認期待と否認観測です。ETFの承認予想日と目される1月10日が近づき、市場が神経質になっていることがうかがえます。

SECは本日も取引所と会合を持つ模様で、市場は来週前半の承認を本命視しています。また、明日は米雇用統計が発表される予定ですが、本日に関しては様子見姿勢が強まりそうです。

テクニカル的には、急落後、半値戻しで上値を押さえられて、一旦は底を固める展開となっています。CME先物の窓を上下とも埋めており、一旦は落ち着いた展開が予想されます。

なお、先物ETFが承認された際にはローンチ時にBTC相場はピークを迎えており、現物ETFに関しても承認後、ローンチまでは期待感での買いが続く可能性があります。

市場を揺るがしたマトリクスポートの否認観測の根拠は、5名のSEC委員のうちゲンスラー委員長を含む3名が民主党系だという政治的なものですが、一方で民主党のメインサポーターであるウォール街がこれだけ推している現物ETFをまともな理由もなく否認することは委員長といえども政治的に困難になっていると考えられます。

考えられるリスクシナリオは先送りですが、この場合、1月10日に最終期日を迎えるアークインベストメントに取り下げ・再申請を促す必要があり、今のところそうした動きは見られておらず、来週早々にも承認される可能性が高いと考えられます。

市場はその後の展開を見極めるべき固唾を飲んで待ち構えている格好と言えるでしょう。

投稿者 塾長