2024年1月26日

考察:

今日のBTC相場は、依然として底値を確定するかどうかの展開が続いています。BTCは、11月に確認された価格上昇のレベルが現在の支持線として機能し、38,000ドル台半ばから反発しています。しかし、これまでにヘッドアンドショルダーのパターンは形成されておらず、40,000ドルの価格帯での取引が続いています。市場は一時的な下げ止まりを見せましたが、底値に達したかどうか、またはさらなる下落があるかどうか、まだ不確実な状態です。

GBTC(Grayscale Bitcoin Trust)の売り圧力は減少していますが、まだ存在感があり、新規ETFの買いが減少しており、直近3日間はマイナス傾向が続いています。さらに、シルクロード関連の売りの予告など、ネガティブな要因が影響していますが、下落の勢いは抑えられています。

なぜ下落が鈍化しているのか、その理由は現在の相場水準にあると考えられます。昨日のGDPの好調にもかかわらず、コアPCEデフレーターがほぼ横ばいだったことから、米国の長期金利が低下し、3月の利下げ期待が高まりました。

早期の利下げ期待は、昨年11月末にウォラー理事が言及したことから始まりました。これは、インフレが低下すると実質金利が上昇するため、名目金利を調整して引き締め過ぎを防ぐという論理に基づいています。つまり、GDPが好調でも、インフレが低下すれば利下げの可能性があるというものです。

BTCの現在の安値である38,000ドル台は、11月の価格レンジの上限に近い水準であり、早期の利下げ期待が高まった時点の価格です。したがって、BTCは早期の利下げ期待に基づく価格上昇分をほぼ相殺しており、3月の利下げ期待が後退しても、大きな失望売りが発生しにくい状況にあると考えられます。

その他の考慮点:

本日は、月次のコアPCEデフレーターが発表されます。また、ブラックロックがBTC ETFに関する投資家向けのWEBセミナーを開催する予定です。BTCは下落が鈍化していますが、週末までにさらなる上昇が見られるかどうかが注目されます。

全体的な見通し:

BTCの相場は、依然として不確実な要因が多く残っていますが、現在のレベルでは相場が安定しているようです。これからの動向は、米国の金融政策やBTC市場への新たな投資の動向に大きく左右されるでしょう。

用語解説:初心者向け

  • BTC(Bitcoin): ビットコインは、分散型のデジタル通貨であり、ブロックチェーン技術を基盤としています。
  • GBTC(Grayscale Bitcoin Trust): グレースケール・ビットコイン信託は、ビットコインに連動する投資信託であり、株式市場で取引されます。
  • ETF(Exchange-Traded Fund): 上場投資信託は、株式や債券などの資産に連動する投資商品であり、証券取引所で売買されます。
  • GDP(Gross Domestic Product): 国内総生産は、特定の国内で生産された財やサービスの総額を示す経済指標です。
  • コアPCEデフレーター(Core Personal Consumption Expenditures Price Index): 核心個人消費支出物価指数は、アメリカ合衆国のインフレ率を示す指標の一つで、個人消費支出に関連する物価変動を除いた指数です。

投稿者 塾長