2026年8月19日
ビットコイン、金利上昇と地政学リスクの綱引きの中で6万4000ドル台を維持
【最新動向】
ビットコインは足元で6万4000ドル前後での推移が続いています。
先週にかけて一時6万3000ドル台まで売られる場面がありましたが、下げ切らずに反発し、直近では6万4200ドル前後まで戻しています。
米国のスポットビットコインETFは8月上旬に3営業日連続の資金流出を記録したものの、その後は流入基調に転じました。
直近2営業日でおよそ4億8000万ドルの資金が流入し、8月全体の累計流入額は1000万ドル弱に迫る水準まで積み上がっています。
流入の中心はブラックロックの運用するファンドで、フィデリティのファンドもこれに続いています。
イーサリアム関連のETFにも資金が入っており、こちらもブラックロックの商品が主導する形となっています。
一方、これまでビットコイン買い増しの中心的存在であったストラテジー社は、6月半ば以降ビットコインの新規購入を停止しています。
同社は直近1週間で3億3000万ドル超の自社株を売却し、その資金を優先株の買い戻しと手元資金の積み増しに充てました。
同社の現金準備は50億ドル近くまで積み上がっており、これまでの積極的な買い増し路線からの方針転換が意識されています。
こうした企業側の動きとは別に、米国の長期金利上昇が市場の重しとなっています。
30年債利回りは2007年以来の高水準となる5%台半ばまで上昇し、10年債利回りも4%台後半まで切り上がっています。
一方で短期金利は低下しており、利回り曲線は長短が開くベアスティープ化が進行しています。
このゆがみが財政悪化への警戒を映す一方、短期金利の低下観測がビットコインの下値を支える一因になっているとみられます。
きょう19日には20年債入札が予定されており、9月10日の30年債入札とあわせて長期金利の行方を占う材料として注目されています。
【その他の考慮点】
暗号資産関連の制度整備として注目されてきたCLARITY法案は、8月の夏季休会前の可決を見送る形となりました。
トランプ大統領ら政府高官の暗号資産事業への関与を制限する倫理条項が最大の争点となっており、与野党の隔たりは埋まっていません。
上院共和党は52議席を握るものの、法案の可決には野党側から一定数の賛成票が必要な構造になっており、審議は9月の会期に持ち越される見通しです。
年内成立の可能性については市場の見方が分かれており、慎重な見方も根強く残っています。
もう一つの制度面の材料として、指数算出大手のMSCIが「非事業会社」を主要株価指数から除外する新基準案について意見募集を行っています。
現行の試算では、ビットコインを大量保有するストラテジー社と日本のメタプラネット社が対象に含まれる可能性が指摘されています。
意見募集は9月末に締め切られ、結果は10月中旬に公表される見通しで、実際の除外が行われる場合は11月の定期見直しでの反映が想定されています。
除外が現実になれば、両社の株式を組み入れているパッシブファンドからの強制的な売却圧力が生じる可能性があり、株価を通じて間接的にビットコインのセンチメントにも影響しうる材料です。
中東情勢についても予断を許さない状況が続いています。
イランとの間で結ばれていた停戦の枠組みは期限を迎えており、イラン側が防衛的な姿勢から攻勢的な姿勢へ転じる可能性が指摘されています。
ホルムズ海峡の船舶通航量は危機前の水準を大きく下回ったままで、原油供給への懸念がくすぶり続けています。
軍事的な緊張が再燃した場合、原油高を通じたインフレ懸念の再燃が長期金利にさらに上乗せされる展開も想定されます。
今週後半にはカンザスシティ連銀主催のジャクソンホール会議が予定されており、パウエル議長の講演が22日に行われます。
市場では9月のFOMCでの利下げ実施をかなりの確度で織り込んでおり、講演の内容次第で金利観測が上下に振れる可能性があります。
【私なりの見解】
現在の相場は、複数の材料が互いに綱引きをしている状態にあると考えられます。続きを読む・・・


